チャリティーパーティー


英国・ヨーロッパの夏の社交界、「ザ・シーズン」がはじまったことはすでに書かせていただきました。

ロイヤルアスコット・ウィンブルドン、ロイヤルヘンリーレガッタ、フラワーショーといったテレビなどでも報道される大きなイベントの合間にたくさんのチャリティーパーティーが開かれます。このようなチャリティーパーティには、多い時には毎週参加します。

チャリティーパーティーというと、地味に聞こえるかもしれませんが、華やかなパーティーは現在ではほとんどがチャリティーパーティーです。華やかなパーティーを開き、参加者はパーティー参加料金を支払います。ロイヤルファミリー、著名人が参加するとこのパーティー料金も高くなり、たくさんのお金をチャリティーに寄付することができるわけです。

「そんなはでなパーティーなど開かずに、寄付だけすればいいのに」という声ももちろんありますが、
チャリティー団体がはでに広告をするわけにもいかず、つぶれてしまう団体があることを考えれば、
マスコミにも大きくとりあげられる可能性もある華やかなパーティーを行った方が結局より多くの寄付金を集めることができるのです。

夏のチャリティーパーティーは、Marquee といわれる白い大きなテントで行われることがほとんどです。写真のような大きなマーキーがマナーハウスの庭や公園などにつくられます。もちろん個人宅の広大な庭の場合もあります。この場合、ヘリポートまであって、 ゲストはヘリコプターでやってきます。

チャリティーパーティーのほとんどはインビテーションオンリー(招待客のみ)で開催されます。 ロイヤルファミリーなどもいらっしゃる場合が多いからです。招待状には必ずどのチャリティー団体のために寄付されるのか、ということが明記してあります。

多くは、パーティーへの参加金額が記載されていますが、記載のない場合もあります。
パーティー参加金額はパーティーの規模、参加者などによって大きくわかれますが、小さなものだと一人100ポンド(日本円で2万円弱)程度のものもありますが、エルトンジョンさんのパーティーのように一人最低6000ポンド(日本円で約100万円)なんていうパーティーもあります。(彼のパーティーに関してはまた別の機会に書きますね)
ドレスコードはほとんどがブラックタイ(アメリカ英語ではタキシード)ですが、ホワイトタイ(燕尾服)の場合もあります。 ドレスコードは男性の服装が書かれていますので、女性もそれにならいます。ブラックタイのときにはディナードレスです。特にダンスパーティーのときにはロングドレス(イブニングドレス)を着用します。

この場合、招待状にはディナー&ダンスと書かれています。

先日私が出席したパーティーはドレスコードがブラックタイで、ダンスパーティーでしたので、 ロングのイブニングドレスを着用しました。今回は私の好きな赤、バレンティーノのドレス、シューズ、夜会用バックで統一しました。 バレンティーノのドレスはエレガントで、そのラインが美しいことで有名です。ダンスをしているときにもエレガントにドレスが動くよう計算されてデザインされています。ドレスに迷ったらぜひバレンティーノをお試しになってみてください。

宝石は目の色かドレスに合わせます。日本人の場合にはドレスですね。 赤いドレスでしたので、宝石もすべてルビーで統一します。この「すべて」とは、基本的にネックレッス、イヤリング、ブレスレット、指輪です。時計は、ディナードレスのときには基本的に女性はしませんが、 宝石タイプのもので、他の宝石と合っている場合にはつけても大丈夫です。(写真は、時計にもルビーが入っています)


当日はまず、シャンパンレセプションという 立った状態でシャンパンをいただきながらいろいろな方とお話するようにします。これはレセプションルームで行われます。 正式な場合には、紹介されていない方とお話してはいけません。特に独身の女性は男性に自分から話しかけてはいけません。

トーストマスターと呼ばれる司会者が、着席するようにアナウンスをしたら、お食事をするお部屋(ダイニングローム)の入口にシーティングプランが掲示してありますので、そちらで席を確認してお席に向かいます。8名ー12名ぐらいのラウンドテーブルの場合がほとんどですので、テーブルの全員が集まるまでは座ってはいけません。テーブルのほとんどのメンバーが揃ったら、まず女性から席につきます。そのあとに男性です。もしそのテーブルの女性客が遅れてきたら、テーブルの男性は全員立ち上がって迎えます。女性は座ったままで結構です。

このようなパーティーだと、テーブルセティングもお客様同士あまり間隔がありませんので、ナプキンを間違った方向からとらないようにしましょう。必ず左側か中央に置いてあります。

お食事が終わったらオークションが行われます。オークションは、たとえば航空会社から航空券等が寄付されて、それらをオークションにかけます。また、コンサートのVIP権など通常手に入らないものがオークションにかけられる場合は、オークションも白熱します!!今回のパーティーでは、著名人とお食事をするというのがあって、5000ポンド(約80万円)で競り落とされていました。このような高額な場合は、競り落とされた瞬間全員拍手をします。

このあとはダンスです。ダンスといっても最近は、ワルツだけではなくディスコダンスとよばれるものが支流です。 タキシードを着た紳士たちとロングドレスをきた淑女たちがアバの曲に合わせて「ダンシングクイーン♪」と絶叫しながら踊る姿はかなりおもしろいです。

もちろんスローなダンスもありますが、ジャイブと呼ばれるダンスはできたほうがよりこのようなダンスパーティーを楽しめます。ダンスは夜中の1時まで続きますが、もちろん途中で帰ってもかまいません。
自分たちも楽しみ、他人の役にもたつというチャリティーパーティーはまさに英国人の考えにぴったりのパーティーなのです。

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