バレンタインデー

皆さま今年はどのようなバレンタインデーをお過ごしになされましたでしょうか?

私は通常スイスのサンモリッツでスキーをして過ごす時期なので、毎年宿泊先のホテルで、バトラーが運んでくれる赤いバラつきのアーリーモーニングティーで目を覚まし、主人からバレンタインカードとプレゼントをもらい、昼間スキーを楽しんだ後(スキー場では女性にチョコレートがプレゼントされます)ホテルでバレンタインディナーを楽しみ、赤いバラで素敵にコーディネートされたバーでゆっくりと食後のカクテル、ホテルの廊下からお部屋までは赤いバラの花びらがカーペットのようにちりばめられています。


ところが今年は娘の学校のハーフターム(英国の学校における学期中休み)が遅いため、サンモリッツに行く時期が1週間変わってしまい、ロンドンで過ごすことになりましたので、主人も、他のご主人さま達も大慌てだったようです。


欧米では、バレンタインデーは「恋人達の日」。もちろん夫婦は恋人です。2009年2月のブログにも書きましたが、バレンインデーは告白をする日ではなくて、愛を確かめ合う日なのです。「あなたのことをひそかに想っています」という名前を入れないカードを送ってもよいのですが、最近では会社でこっそりと同僚をからかう、ということも多いようです。お互いにカードとプレゼント交換をしますが、男性は必ず女性に赤いバラをプレゼントします。


カードとプレゼントは朝渡しますので赤いバラも前日男性がこっそりと買っておいて、ガレージ(車庫)にかくしておいて朝のモーニングティーと一緒に奥様または恋人に渡します。女性もカードと小さなプレゼントを男性にするのですが、どちらかというと男性が女性に大きなプレゼントをしたり、豪華なディナーに連れていく日です。すべてのレストラン(ピザやインド料理の店ですら)ではバレンタイン特別メニューです。カップルしか食事をしていないので、日本のクリスマスイブのような雰囲気です。


今年のバレンタインデーは月曜日なので、週末の土曜日からバレンタイン用の特別企画をしているホテルやレストランが多かったようです。


私達はロンドンのリッツホテルで過ごしました。バレンタインの朝はいつも通り主人がベットまでアーリーモーニングティーを持ってきてくれましたが、いつもとちがったのはバレンタインカード。バラがない・・とちょっとがっかりしてティーをベットで飲んでいたら、お花屋さんから大きなバラの花束がデリバリーされました。夜はロンドンのホテルに宿泊することを知らされていたので、荷物の用意をしていると運転手つきのベントレーが迎えにきてくれました。(英語ではショーファーが迎えにきてくれた、といいます)


一晩家政婦に家を、子供はナニーにかませて、ついた先はリッツホテル。私がロンドンで一番好きなホテルです。


前回宿泊したときにはクリスマスデコレーションが美しかったのですが、それがなくても十分に美しいホテルです。ホテルではジーンズやスニーカーは禁止です。ふさわしくない服装だと入り口で断られます。男性はジャケットとタイ着用となっています。宿泊者のみ利用できる朝食時のみカジュアルな服装、ジーンズも可ですがそれ以外はドレスコードがあります。


女性はセミアフタヌーンドレスがよいでしょう。男性も女性も特に靴はきちんとしたものを。女性はビジネスではないのですから、華やかなものをはきましょう。写真で私がはいているものはシャネルのコレクターズシューズです



(写真 セミアフタヌーンドレス)


(写真 靴)

荷物はすべておそろいのブランド旅行バックにしてください。(英語ではマッッティングセットと言います)一流ホテルではホテル内に荷物を持っていってはいけません。車を降りるとすぐにポーターが駆け寄ってくれますので、彼らにまかせます。カートに乗せて、ホテルの中にこのカートを持っていくのは一流ホテルではない証拠です。一流ホテルはサイドドアーから荷物の出し入れをするようになっています。ですからお客様が利用するドアは回転ドアなど小さなものが多いのです。ホテルの宿泊者以外気軽に入れないようにしているのです。ドアマンがすべてのお客様の出入りをチェックすることができますので、名前や顔も覚えやすく、「Welcome back !」と名前を呼んでくれます。

お部屋に入ったらまずはアフタヌーンティー。バレンタインデーですからシャンパンアフタヌーンティーです。

(写真 シャンパンアフタヌーンティー)

パームコートではシャンパンと赤いバラつきのバレンタインティーをサービスしていたようですが、アフタヌーンティー自体は同じものです。クリスマスのときにも書きましたが、リッツホテルのアフタヌーンティーは有名になりすぎて、今では朝11時から1時間半で5回転もする「観光客相手」になってしまったため英国人にはあまり評判がよくありません。


主人いわく「アフタヌーンティーというのは時間を気にせずにゆっくりと楽しむもの。1時間半だけなんてとんでもない」のだそうです。


(写真 フワフワのスコーン)


スコーンはフワフワでほんとうにおいしいです。写真の左上に写っているのはアイスクリームではありません。クロテッドクリームです。スコーンはナイフで上下二つに切っていただきます。間違ってもそのまま召し上がらないでくださいね。


(写真 美しいケーキ)


どれからいただこうか迷ってしまう美しいケーキ達。チョコレートケーキはたおしていただきましょう。

ゆっくりとアフタヌーンティーをいただいた後は、ホテルの中のリツツジュエリーに立ち寄りました。主人がルビーリングを注文しておいてくれたのです。

朝プレゼントがないなあ、とは思っていたのですが。結婚10年目のバレンタインデー。本当に10年前とかわらない主人のやさしさと愛情に、日ごろ英国人友人と一緒につい勝手なことばかりしている自分にちょっと反省してしまいました。

夜はリッツレストランでバレンタイン・ディナーダンスです。40になったばかりの私達はまだまだ若い方で、多くが60―70歳前後のご夫婦。テーブルで何度も奥様の手を握りしめてほほ笑むご主人さま、たぶん朝プレゼントされたばかりと思われる美しい宝石をつけてほほ笑み返す奥様。ダンスフロアーでもみつめあったまま踊られている姿をみると「こんなふうに素敵に歳をかさねていきたい」とまたあらためて思いました。


(写真 ディナーダンス用ドレス)


(写真 リッツローズとメニュー)


女性にはリッツローズがプレゼントされます。バレンタインン特別ディナー5コース。トリュフ、フォアグラ、ロブスター、ステーキなどもう本当に素晴らしく、リッツレストランでは写真撮影が禁止なので、お料理を写真でお見せできないのが残念です。

ダンスと素晴らしいお料理と女性達の豪華な宝石とドレスを十分に楽しんだ、素敵な夜でした。もちろん主人の愛情もしっかりと感じた本当に幸せな1日でした。

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