ウィリアム王子・キャサリンさんご結婚おめでとうございます。

ウィリアム王子・キャサリンさんご結婚おめでとうございます。
おふたりは女王陛下から「Duke and Duchess of Cambridge」(ケンブリッジ公爵・公爵夫人)という称号をあたえられましたので今後はこの新婚夫婦のことをケンブリッジ公爵夫妻とよばなくてはいけません。もちろんウィリアム王子( H.R.H. Prince William )の称号はそのままです。
つまりウィリアム王子はふたつの称号をもつことになるわけです。

ロンドンはイースター休暇中という方も多く、実は私もこのロイヤルウェディングに合わせてロンドンにもどってきました。ですが友人の多くはまだ外国で休暇を楽しんでいます。

このことからもわかるようにいまひとつ盛り上がりにかける、という不安の声もありましたが1週間ほど前からはロンドン中に国旗(英国の国旗のことをユニオンジャックといいます)がかかげられ世界中から観光客がやってきて、急に華やかなお祭りムードとなりました。


(写真: ユニオンジャックが飾られたリージェントストリート)

(写真: ユニオンジャック色にデコレーションされたビル)

テントを張って5日間場所取りをしていたというグループも。寒い日もありましたから大変だったと思います。

ですが28日の夜、ウィリアム王子とハリー王子が突然クラレンスハウス(バッキングパレスのすぐ目の前)から外にでて一般大衆と話し始めるという、道に泊まりこんでいた人達にとっては思いがけないアクシデントが。

警備の警察官達にとってはもちろんありがたくなかったでしょうけれども。

いよいよ29日、ビッグデーです。ビッグデーは普通結婚式の日を「花嫁のビッグデー」と呼びますがなにしろロイヤルウェディングです。ロンドンのビッグデー、連合王国(英国の正式名称)のビッグデーでもあります。天気予報は雨という予報でしたがなんとかくもり空のまま朝をむかえました。

ロンドンの中心地以外はひっそりと静まり、皆テレビの前です。バッキングガムパレスの近くに行けなかった人達のためにハイドパークが解放され、大きなテレビ画面とたくさんの出店がでて皆パーティー気分です。ユニオンジャック色にデザインされた服やTシャツを着たり、ウィリアムとキャサリンさんの顔がプリントされた帽子をかぶったりと、お祝いムードがあふれていました。

結婚式が挙げられるウェストミンスターアビーの近くにあるGoring Hotelでキャサリンさんの支度が朝の6時半からはじめられました。

キャサリンさんのお母様、ブライズメイズなどもすべてこのホテルで支度をしました。

このホテル、素敵なホテルなのですが英国人でも知らない方の方が多いと思うので、このウェディングはこのホテルにとっても大変な宣伝になることでしょう。

キャサリンさんのヘアーを担当したのは、ジェームス・プライス。ブライズメイズなどはリチャード・ワード。
「新しい時代の新しいロイヤルカップル」という言葉がよく使われるようにたくさんのことが伝統をやぶられて行われました。式の誓いの言葉の中でキャサリンさんがOBEY(従う)という言葉を言わないことにしたこともひとつです。

特に結婚式の招待客は「英国を変えた日」と呼ばれるほどミックスゲストとなりました。伝統的な貴族や上流階級、外国からの招待客にまじって多くの芸能人、一般人が招待されました。

はじめて正装するという人も多く、かれらは貸衣装で参加。これほど貸衣装で参加したゲストが多いロイヤルウェディングはヨーロッパでもはじめてです。ウィリアム王子とキャサリンさんがよく買い物をしたという小さなお店のオーナーもその一人。また、多くのチャリティー団体で働くボランティア活動をしている方々も招待されています。ウェディングギフトはすべてお二人が選んだチャリティー団体への寄付となっていて、さくさんの団体が登録されています。

労働者階級に人気があるベッカム夫妻(デービット・ベッカム、ビクトリア・ベッカム)も招待されていて、中流階級以上からは「嫌われている」といってもいいほどのこの二人が招待されたというニュースが流れた瞬間から「こんな王室が必要なのか」という論議まで起こったほどでした。

ベッカムさんはOBEメダルをつけていましたが、本来左の胸につけるはずのメダルが右胸についていました・・。誰か注意してあげなかったのでしょうか。(わざと教えてあげなかったのでは、とつい勘ぐってしまいます)テレビ中継中も何度も「キャサリンさんのお母さんの家系は労働者階級の中でも一番低いところの出身で、ご自身も労働者階級としてエアホステス(客室乗務員・スチュワーデス)として働き、その後ビジネスが成功して億万長者となり、ついに娘は将来の王様の妻になりました。なんというステップでしょう」というコメントがあり、英国を変えた日を強調したいのはわかりますが、そんなに繰り返さなくても・・という印象は残りました。

ただ、だからこそ英国連邦のオーストラリアやカナダの人達にはキャサリンさんは大人気。「シンデレラストーリー」そのものなのでしょう。

ローワーゲストと呼ばれる一般の招待客(芸能関係者も含みます)は朝の8時半にウェストミンスターアビーに行かなくてはいけませんでした。その後10時からは政治家及び貴族、各国の政治家、各国のロイヤルファミリー、英国のロイヤルファミリー及びキャサリンさんの親族の順に入場となりました。

朝10時20分ごろハリー王子とともにウェストミンスターアビーに到着したウィリアム王子。

赤のアイリッシュガーズの制服に青いガーターサッシュ。まさに「大英帝国の王子様」です。

アビーに入るときには男性は全員帽子をとらなくてはいけないのですが、帽子をとると、ちょっと髪の毛がさみしい・・と思った方は多いはずです。

できれば帽子をつけたままでいてほしかったような・・。ウェストミンスターアビーの中は大きな木が取り込まれ、「自然を感じられるように」とのお二人の意向が活かされていました。

10時45分、ついにキャサリンさんのドレスが披露されました。まったく秘密がもれなかったこのドレス。すべてのマスコミが総力をあげて調べ上げたのに誰にもわからなったこのドレス、ついにお披露目です。

ドレスはサラ・バートン、アレクサンドラ・マクレーンのチーフデザイナーによるものでした。

レースが使用され、グレース妃を思い起こさせる、エレガントなドレスでした。ちなみに、キャサリンさんのお母様のコートドレスはキャサリン・フォーカーのものでグレイブルー、コーンウォール公爵夫人(カミラ夫人)のコートドレスはアナ・バレンタインのものでシャンパンカラー、女王陛下のコートドレスはアンジェラ・プレリーによるデザインでイエローでした。

ウィリアム王子もキャサリンさんも式へ向かう時にはガラス張りのロールスロイスでしたが、式の後は馬車でパレードです。

ユニオンジャックが誇らしげになびき、ユニオンジャックでうめつくされた沿道からは100万人の歓声。
「これが大英帝国です」ということを世界中にアピールするまさにおとぎ話にでてくるような感動のシーンでした。

バッキングパレスのバルコニーでは2回のキスを披露してくれた若いお二人。

出会いから10年、同棲も経験するなど新しい時代のロイヤルカップルとして、新しい英国王室をつくっていってくれることでしょう。

今日の結婚はお二人の結婚だけではなく、ロイヤルファミリーと国民との結婚でもある、まさに
「英国を変えた日」になるのです。

(認定インストラクターの皆さま、通信教育コースを受講中の皆さまにはインターネットマガジンニュースレターの中で慣習や服装、式やレセプションの様子など詳しく説明します)

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