ロンドン社交界は「パーティーシーズン」
10月に入りロンドンは毎日のように雨・・・あのさわやかな気持ちのよい夏がなつかしいです。
その天気の悪さを吹き飛ばすかのようにイギリス特にロンドン社交界は「パーティーシーズン」に突入していきます。
その天気の悪さを吹き飛ばすかのようにイギリス特にロンドン社交界は「パーティーシーズン」
チャリティーパーティー、クリスマスパーティー、ダンスパーティー、社交界デビューパーティーと、すでに書かせていただいた夏の「ザ・シーズン」と同じように忙しくなります。日本からお越しいただいた生徒様、最近ロンドンに赴任されてきた駐在員の方、駐在夫人の方々から多くうける質問が、「フランス式マナー、プロトコール、英国式マナーといろいろ日本ではあったのですがとれが正しいのですか?」これはもちろんどういう状況にいるかということですが、正しいというより、世界標準というか、世界で通用するマナーは「英国式マナー」です。
1789年7月14日におこったフランス革命まではヨーロッパの社交はフランスが中心でした。
もちろんイギリスも政治的には大英帝国として大変な勢力はありましたが、「パリで社交界デビューする、もしくは社交の仕上げをする」のはヨーロッパ上流階級の常識でした。つまりパリはおしゃれな場所だったわけです。
また、テーブルコーディネートという概念ができたのもフランスが始まりだといわれています。
ところが革命後、王族や貴族によるパーティーや社交行事がなくなり、それらはすべてイギリスを
中心に行われるようになりました。近年では「クリヨンボール」のように華やかな社交界デビューのパーティーは行われていますが、どうも貴族の方々の肩身はせまいようです。
なにしろ今でもフランス国民の80%は農民、貴族をきらう傾向はフランス革命時と変わらないとさえいわれています。先日もあるパーティーでお会いしたフランス貴族の方が、「ロンドンでは堂々と貴族であることを名乗れるし、本当に楽しいわ」とおっしゃっていました。
フランスでは今でもフランス式のマナーが使用される場合が多いですが、世界で通用するわけではありません。
日本の皇室の方々をはじめ、世界中の王室関係の方々はイギリスに留学します。
アメリカ東部のお金持ちの方々もイギリスに留学してきます。イギリスで教育を受ける、イギリス式・英国式のマナーを身につけるということは社交上の「当たり前」なのです。ちなみにアメリカに留学するというのはビジネスのため、つまり「お金を稼ぐため、アメリカンドリームを手に入れるため」です。そしてそのアメリカンドリームが手に入りそうになった時にあらためてイギリスにマナー留学するというケースも多いです。
プロトコールというのは、いろいろな国の人が集まった時の席順など外交官、ロイヤルファミリーが必要とされるマナーです。
つまりプロトコールとは、英国式マナーの中の一部になります。
パリはロマンティックに恋を語る場所、ロンドンは政治を語り、社交(時には駆け引き)をする場所なのです。