日本のマナーと欧米のマナーの違い、トヨタと国際マナー&社交術
トヨタの大規模なリコールは、英国でも毎日トップニュースとして報道されました。
この件で改めて痛感したのは、「日本のマナー・慣習」と「欧米のマナー・慣習」の違いです。
欧米の自動車会社でも、リコールなどよくあることです。でもここまで大きな問題となってしまった理由として、トヨタの対応があまりにも国際企業のものではなかったから、と言われています。
英国ではこの問題が発覚してすぐに英国トヨタの英国人役員たちが「僕たちの家族も全員トヨタに乗っています。危ないものに乗らせることはしません」とまっすぐにカメラをみながら、ゼスチャーと添えて文字通り安全性を「訴えて」ました。ところが、日本で開かれた世界にむけた記者会見では、日本人社長が、英語ではありましたが、カメラをみることなく紙を読む、といったものでした。
これが放映された瞬間私も含め、一緒にいた(親日家の)英国人たちは顔を両手にうずめてしまいました・・これほど大切な会見はなかったのに、あれでは逆効果です。録画したものを流してもいいから、しっかりとカメラを見て「読む」のではなく話さなくてはいけなかったのです。日本では申し訳ないというときは頭を下げます。
欧米では頭をさげるのではなく、相手の目をしっかりとみて謝罪します。相手の目をみないで謝罪することは「真実を語っていない」ということになってしまうのです。
いい商品=売れる商品ではありません。PR、広告、社交、すべてが一緒になり、消費者がほしいと思うもの(思わせるもの)が売れる商品です。
今まで日本は、社交ベタは有名でしたが、いい商品をつくるという「評判」で売れる商品ができ、トヨタは世界一の自動車会社となりました。今回のようにその「すぐれた」点をたたかれたらもう戦う方法がなくなってしまいます。GMよりも売り上げをあげてしまった時点で今回のような日本たたきがはじあることを予想して対応しておけばここまでひどくならなかったとう意見がありますが、私も同感です。
ここで申し上げたいのは、私はトヨタを批判しているのではありません。日本にいたときには私の愛車はトヨタスープラでした。友人たちはベンツやBMWといったいわゆる外車を選んでいましたが私はトヨタのスープラすべてが気に入っていて、日本を離れるときに
スープラを手放した時のことはいまでも心にやきついているくらいです。まさに夕日にむかって遠ざかっていくスープラの姿を涙目でいつまでも見送ったのでした!
今ロンドンでも子供ができてからはレクサスの4WDを購入しました。トヨタがいかにすばらしい車かはよくわかっています。友人達にもリアカメラなどほかの車にないものをみせて、同乗させておすすめした結果、5人の英国人「ママ友」もすぐに同じレクサス4WDを購入したほどです。
だからこそ、トヨタがその品質だけではなく対応によってたたかれているのはとても悲しいことなのです。
先日行われた82回アカデミー賞でも、デビット・キャメロンの元妻キャサリン・ビガローが女性にしてはじめて監督賞を受賞しましたが、このときにも「キャサリンがデビットに爆弾を送り、デビットはお返しに「トヨタ」をおくった」というジョークが放映されたほどです。(キャサリンの映画はアフガニスタンつまり爆弾に関係する映画だったため)
日本びいきの友人でさえ、「前の車はトヨタよ!ブレーキがきかないかもしれないから車間をたっぷりとったほうがいいわ!」と言う始末です。
欧米式が正しいとか、一番だということはありません。日本を離れて改めて、その謙虚なマナーをはじめ、日本の素晴らしさがわかります。しかし、「国際ビジネス」の場では欧米式マナーが必要なのであって、日本式は通用しないと思わなくてはいけません。「僕は日本人だから日本式で通す」という方がいらっしゃいましたが、それでしたら「国際企業になる」とか「国際的に仕事をする」ことはやめ、日本国内だけにしたほうがいいでしょう。
F1レースからトヨタとホンダが撤退したときに、英国人コメンテーターがこう言っていました。「トヨタもホンダも本当に素晴らしいチームで、スタッフもいい人ばかり、技術もすごい。でも東京からすべてコントロールすることは無理だ。いい成績がでるわけがない。
その両チームの素質が素晴らしかっただけに残念だ」
私のロンドンのスクールでジェントルマンコースにきていた日本人男性の方もそれほど欧米式のマナーなど気にせず日本式にアリカ・ロンドンで仕事をしていたそうですが、欧米人との摩擦がひどく、うまく仕事がすすまなかったそうです。ある日、ロンドン支社にいるアメリカ人に「おい、窓の外をみてみろ。東京がみえるか?ぼくにはみえない」といわれ、返す言葉がなかく、その場に立ちすくんでしまったそうです。
韓国・中国のエリート教育(欧米式マナーと社交術をたたきこむ)はすごいものです。サンモリッツでも今年は中国人の方が多いのに驚きました。彼らとお話する機会も何度かあったのですが、「欧米人と同じ土俵にたつにはまず欧米式のマナーを身につけなくてはいけない。
いちど同じ土俵にたったら中国式に変えてやる!!僕の代では無理でも子供たちの代ならできる」この意気込みはすごい!と思いました。
日本の製品のよさは欧米にいると本当に身にしみて実感します。でも最近それがうまく伝わっていない気がします。将来はどうであれ、今、国際ビジネスの場で勝負するには欧米式のマナーと社交術が必要なのです。
欧米で優秀なPR(マスコミ対応や社員教育もふくめ)ができる方は本当に高給ですが、この投資は決して無駄にならないはずです。
皆の目をくぎ付けにする、大きなウィングをつけた真っ赤なスープラを、トヨタの女性PRの方がロンドンで乗り回す日が来ることを
心から祈っています!
この件で改めて痛感したのは、「日本のマナー・慣習」と「欧米のマナー・慣習」の違いです。
欧米の自動車会社でも、リコールなどよくあることです。でもここまで大きな問題となってしまった理由として、トヨタの対応があまりにも国際企業のものではなかったから、と言われています。
英国ではこの問題が発覚してすぐに英国トヨタの英国人役員たちが「僕たちの家族も全員トヨタに乗っています。危ないものに乗らせることはしません」とまっすぐにカメラをみながら、ゼスチャーと添えて文字通り安全性を「訴えて」ました。ところが、日本で開かれた世界にむけた記者会見では、日本人社長が、英語ではありましたが、カメラをみることなく紙を読む、といったものでした。
これが放映された瞬間私も含め、一緒にいた(親日家の)英国人たちは顔を両手にうずめてしまいました・・これほど大切な会見はなかったのに、あれでは逆効果です。録画したものを流してもいいから、しっかりとカメラを見て「読む」のではなく話さなくてはいけなかったのです。日本では申し訳ないというときは頭を下げます。
欧米では頭をさげるのではなく、相手の目をしっかりとみて謝罪します。相手の目をみないで謝罪することは「真実を語っていない」ということになってしまうのです。
いい商品=売れる商品ではありません。PR、広告、社交、すべてが一緒になり、消費者がほしいと思うもの(思わせるもの)が売れる商品です。
今まで日本は、社交ベタは有名でしたが、いい商品をつくるという「評判」で売れる商品ができ、トヨタは世界一の自動車会社となりました。今回のようにその「すぐれた」点をたたかれたらもう戦う方法がなくなってしまいます。GMよりも売り上げをあげてしまった時点で今回のような日本たたきがはじあることを予想して対応しておけばここまでひどくならなかったとう意見がありますが、私も同感です。
ここで申し上げたいのは、私はトヨタを批判しているのではありません。日本にいたときには私の愛車はトヨタスープラでした。友人たちはベンツやBMWといったいわゆる外車を選んでいましたが私はトヨタのスープラすべてが気に入っていて、日本を離れるときに
スープラを手放した時のことはいまでも心にやきついているくらいです。まさに夕日にむかって遠ざかっていくスープラの姿を涙目でいつまでも見送ったのでした!
今ロンドンでも子供ができてからはレクサスの4WDを購入しました。トヨタがいかにすばらしい車かはよくわかっています。友人達にもリアカメラなどほかの車にないものをみせて、同乗させておすすめした結果、5人の英国人「ママ友」もすぐに同じレクサス4WDを購入したほどです。
だからこそ、トヨタがその品質だけではなく対応によってたたかれているのはとても悲しいことなのです。
先日行われた82回アカデミー賞でも、デビット・キャメロンの元妻キャサリン・ビガローが女性にしてはじめて監督賞を受賞しましたが、このときにも「キャサリンがデビットに爆弾を送り、デビットはお返しに「トヨタ」をおくった」というジョークが放映されたほどです。(キャサリンの映画はアフガニスタンつまり爆弾に関係する映画だったため)
日本びいきの友人でさえ、「前の車はトヨタよ!ブレーキがきかないかもしれないから車間をたっぷりとったほうがいいわ!」と言う始末です。
欧米式が正しいとか、一番だということはありません。日本を離れて改めて、その謙虚なマナーをはじめ、日本の素晴らしさがわかります。しかし、「国際ビジネス」の場では欧米式マナーが必要なのであって、日本式は通用しないと思わなくてはいけません。「僕は日本人だから日本式で通す」という方がいらっしゃいましたが、それでしたら「国際企業になる」とか「国際的に仕事をする」ことはやめ、日本国内だけにしたほうがいいでしょう。
F1レースからトヨタとホンダが撤退したときに、英国人コメンテーターがこう言っていました。「トヨタもホンダも本当に素晴らしいチームで、スタッフもいい人ばかり、技術もすごい。でも東京からすべてコントロールすることは無理だ。いい成績がでるわけがない。
その両チームの素質が素晴らしかっただけに残念だ」
私のロンドンのスクールでジェントルマンコースにきていた日本人男性の方もそれほど欧米式のマナーなど気にせず日本式にアリカ・ロンドンで仕事をしていたそうですが、欧米人との摩擦がひどく、うまく仕事がすすまなかったそうです。ある日、ロンドン支社にいるアメリカ人に「おい、窓の外をみてみろ。東京がみえるか?ぼくにはみえない」といわれ、返す言葉がなかく、その場に立ちすくんでしまったそうです。
韓国・中国のエリート教育(欧米式マナーと社交術をたたきこむ)はすごいものです。サンモリッツでも今年は中国人の方が多いのに驚きました。彼らとお話する機会も何度かあったのですが、「欧米人と同じ土俵にたつにはまず欧米式のマナーを身につけなくてはいけない。
いちど同じ土俵にたったら中国式に変えてやる!!僕の代では無理でも子供たちの代ならできる」この意気込みはすごい!と思いました。
日本の製品のよさは欧米にいると本当に身にしみて実感します。でも最近それがうまく伝わっていない気がします。将来はどうであれ、今、国際ビジネスの場で勝負するには欧米式のマナーと社交術が必要なのです。
欧米で優秀なPR(マスコミ対応や社員教育もふくめ)ができる方は本当に高給ですが、この投資は決して無駄にならないはずです。
皆の目をくぎ付けにする、大きなウィングをつけた真っ赤なスープラを、トヨタの女性PRの方がロンドンで乗り回す日が来ることを
心から祈っています!