英国・欧米社会での手土産

比較的涼しい英国でもひまわりを見る機会があります

先日のマナーハウスへ招かれた場合のマナーでも少し触れましたが、英国に駐在されている生徒様から多くいただく質問に、 「手土産」があります。

日本は、お招きをうけた場合、マナーとして手土産を持参しますよね。英国・欧米社会では、場合により手土産はかえって邪魔になったり、失礼な意味にとられることもありますので気をつけましょう。
ビジネスのお付き合いですと、賄賂、と受け取られてしまう恐れもあります。

まず、お花ですが、パーティーのときに持っていくことは避けましょう。

理由は、パーティーを主催するホステス(女主人)は、パーティーのテーマカラーをきめて、時間をかけてコーディネートしています。

そこにお客様がパーティーのテーマカラーとは合わないお花を持って現れたら大変です。受け取った側のマナーとして、その花を飾らなくてはいけませんので、「こんなテーマに合わない花をいただいてしまってどうしましょう。どこに飾ったらいいかしら」 と頭を抱えることになり、また、花束の場合には花瓶を探さなくてはいけません。

お花は、パーティーのあとに、サンキューカード(御礼状)と一緒にお花やさんから配達していただきましょう。 基本的にお花は男性が女性にプレゼントするもの。デートのときはもちろん男性は花を持っていきましょう。

この場合は大きな花束をもって いっても大丈夫です(私個人の好みでは、一輪のお気に入りの花をもってきてくれることが好きですがちょっと出来すぎでしょうか)。

ちなみに、赤いバラの花一輪を夜のデートに持っていくと「今夜は僕と朝まで過ごしてください」という意味になります。

黄色一色のバラの花束を送ってはいけません。黄色はお葬式にもよくつかわれる色ですし、あなたに悲しみが訪れますように・・という意味になってしまいます。

また、赤と白のみの花の組み合わせ、カーネションのみの花束もいけません。前者は死者を意味し、後者はお葬式用の花となります。

英国では金曜日の夜、花束を抱えた男性をよく見かけます。この国では、階級や仕事などに全く関係なく、子供を預けて夫婦でデートを楽しむことがごく当たり前のことで、奥様にもデートのときには花束を忘れない、という男性は少なくありません。(実は私の主人も二人で出掛ける時には、毎回花をプレゼントしてくれます。)

ワインもお友達なら結構ですが、目上の方のお宅へ持っていってはいけません。
高いワインであれば「生意気」になるでしょうし、安ければ、「こんなワインを私たちがいただくと思っているの??」ということになります。シャンパンは無難ですが、女性一人で招かれたときには避けます。女性はアルコールを持っていくものではありません。

ではなにが手土産としてふさわしいのか?

といいますと、チョコレート、ミントチョコレートです。食後には必ずコーヒーと一緒に
チョコレートをいただきますので、これならば、たくさんあっても問題ありません。小さな箱で十分です。

ただし、ティーパーティー、お子様のプレイデー(子供がお友達の家に遊びにいって、お食事までいただくことです)の場合には絶対に食べ物を持っていってはいけません。

食べ物、お菓子を持っていくと、「あなたの出す食べ物だけでは十分ではないので、持ってきてあげましたよ」という意味になってしまいます。

スクールの生徒様で、お子様のプレイデーに、お菓子を持たせて いかせたら、「うちで十分なお食事をさしあげましたので、これはいりませんでした」と相手のお母様に冷たく言われてびっくりした、という方もいらっしゃいました。

どんなパーティー、プレイデーにしろ、大切なのはそのあとです。パーティーの場合には翌日に御礼状(サンキューカード)を郵送し、次はこちらが誘うか、お花やチョコレートをカードと一緒におくります。

プレイデーのあとも、次はぜひうちへ遊びにいらしてください、と誘えばそれで十分です。
もし何かの事情でそれが無理な場合には、お子様を迎えに行くときに、小さな花束(ブーケー)や、チョコレートなどを持っていきます。

もちろんサンキュー、の言葉も忘れずに!!
究極のイギリス英語、クイーンズイングシッシュでは、Thank you very much indeed. です。

繰り返してしまいますが、手土産はあまり気にしないこと。(親しい友人同士でのカジュアルなパーティーは別です。逆に何かもっていこうか?と聞きましょう。)

大切なのは、お招きを受けた後。感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。

特に独身の女性は素敵な笑顔があればそれで十分なのです。

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