スイスでのニューイヤー
スイスでのニューイヤーは最低4回祝うことになります。
午後10時 モスクワ(ロシア第二標準時)、午後11時 ロシア(ロシア第一標準時)・エストニア・ラトビア・リトアニア、12時 スイス・フランス・ドイツなどの中央ヨーロッパ、午前1時 ロンドンと時差の関係です。「ヨーロッパ連邦」を感じる数時間です。
まず午後10時のモスクワからの方々は、ロシアの中でも「厳格でポッシュ」ということで、みな立ち上がり、グラスをゆっくり静かに合わせます。ダンスフロアーでは、ロシア伝統のダンスが踊られます。
午後11時のロシア・東ヨーロッパのニューイヤーはもっと明るく、写真のように皆でレストラン中を踊りまわります。
12時、スイスのニューイヤ直前に、明るい色の帽子や首飾り、笛などがくばられ、それらを身につけます。写真のように紙でできたものがほとんどで、ブラックタイや美しいロングドレスにこれらをつけた姿はなかなかおもしろいですよね。12時直前に明かりがけされ、カウントダウンが10・9・(英語です)とはじまり、「ハッピーニューイヤー」とともにあかりがともされ、写真のように皆でキスをして歩きます。
1時の英国のニューイヤーは、英国人全員シャンパングラスを手に立ち上がり、まず「ハッピーニューイヤー!!」その後はもちろん「God Save the Queen(女王陛下万歳)」と言いながらグラスを高くかかげ、国家を歌います。
これからはダンスです。ワルツではなく、ディスコです。朝まで踊り続けるので、午前2時にブッフェがサービスされます。すごい方は朝まで踊り続け、(食べて飲み続け)一睡もせずニューイヤー一番の初スキーにでかけます。
8時にすべてのリフトがオープンします。でもこれはほんの一部の方々。多くの方はもうひとつの伝統的なニューイヤーの過ごし方「寝て過ごす」のです。
我が家は「寝て過ごす」伝統に従いました。スキーにいかなくても美しい山が部屋からみえますし、ゆっくりと部屋で時間を過ごすのもいいものです。
部屋にはストーンソファーがありますので、あたたかいチェアーに家族で座りながら何時間も過ごします。このストーンソファー、全体があたたかくなるすぐれものです!出かける前にスキーウェアーなどをおいておけば、とってもあたたかくなります。
私は2010年初スパトリートメントをうけました。山々をみながらのタラソバスはとてもおすすめです。
その後はマッサージとスイスの薬草をつかったフェイシャル。肌がつるつるになります。ビューティシャンには、最後にティップを渡します。10スイスフランが相場です。
グルデンワルドはドイツ語圏ですので、ホテルにはドイツ式サウナがあります。つまり男女一緒で水着は着てはいけない、「ネイキットゾーン」の表示です。子供もいけません。
スティームサウナ、クレオパトラバス(ソルトバス)などいろいろなサウナがあってとても楽しいのですが、初めはかなり抵抗がありました。でもみなさん平気で裸で歩いてます。タオルは使えますので、まずはタオルをまいてチャレンジしてみましょう。
夜はニューイヤーディナーです。テーマカラーは黒、黒のテーブルクロスを使い、キャンドルだけのキャンドルライトディナーです。キャンドルだけというのはもっともフォーマルなディナーとされます。ニューイヤーズイブに、紙をぶつけあって知り合いになった方々とも改めていろいろなお話をします。
こうして、ディナー・ダンス・会話・社交・スキーを楽しみ、「また来年お会いしましょう」「夏に、サルディニアでお会いしましょう」といった挨拶がかわされ、クリスマス・ニューイヤーシーズンがおわります。
最後の夜には、必ず自分達の席を担当してくれたウェイター・ウェイトレスにチップを渡します。ティップは必ず紙幣です。握手をしながらさりげなくわたしましょう。
もちろん男性の役割です。20スイスフランが普通ですが、50フラン渡してもかまいません。ヘッドウェイターには50フランにしましょう。来年も良い席を用意してくれます。
こういう一流ホテルで顔がきくかどうかもビジネスの上では大切なことなのですから。
チェックアウトの日も忙しいです。コンシェルジェをはじめ、部屋づきのメイド、掃除メイドなどにチップを渡してまわります。ピローチップとよばれる枕の下にコインをおくようなことは、日本人だけですので、特に一流ホテルではやめましょう。
いろいろなホテルの方から「なぜ日本人は枕の下にコインをおくのか?」と質問され返答にこまってしまいます。何度も書いているとおもいますが、チップは紙幣でまとめて渡します。
支配人など「マネージメントクラス」にはチップを渡してはいけません。「来年もよろしく」だけで十分です。
数箇所の場所を短期間で訪れるのもいいですが、こんなふうに毎年同じホテルにゆっくりと「滞在する」という休暇をもっと日本の方にも楽しんでほしいなあ、と思います。